『日本一レベルの低いフットサル大会を目指す』初心者に特化した大会運営に必要なことは?(長嶋良太・ビギワン!!代表)[1/2]【フットサルの輪】[ピヴォ×みんサル]

コラム|2019.01.31

『日本一レベルの低いフットサル大会を目指す』初心者に特化した大会運営に必要なことは?(長嶋良太・ビギワン!!代表)[1/2]【フットサルの輪】[ピヴォ×みんサル]

初心者に特化したフットサル大会『ビギワン!!』の長嶋良太さんが、『日本一レベルの低いフットサル大会を目指す』というコンセプトについて語ってもらった前編です。[ピヴォ×みんサル]からの転載記事

  • インタビュー
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2018年11月21日、某所

(PHOTO,TEXT・佐藤功)

フットサル業界で働く人たちの想いでつないでいく『フットサルの輪』。第1回目は、初心者に特化したフットサル大会『ビギワン!!』の長嶋良太さんが、『日本一レベルの低いフットサル大会を目指す』というコンセプトについて語る。(2018年11月21日収録)

安心して初心者が取り組むことができる大会

――フットサルとの関わりはどういったきっかけでしょうか?


長嶋 14歳のときにドーハの悲劇でサッカーに出会い、更にJリーグ開幕でサッカーにハマりました。そして、高校で部活に入ろうかなと思ったんですけどやんちゃなイメージがあって入らなかったんです(笑)。でもなんとかサッカーをやりたくて、サッカー部に入らなかった人たちで草サッカーを始めたんですよ、公園とかで。その流れで16歳の時に初めてフットサル大会に出て、それから定期的にフットサルの大会に出場していました。


――まだその頃は大会も多くなく、カテゴリー別も少なかったと思いますが。


長嶋 学生のみの大会もありましたね。96年から98年ぐらいの時代で、大会自体は今のように沢山あるような状況ではなかったんですけど、学生向けの大会があったので参加してました。


――プレーヤーから仕事としてフットサルに関わるようになったきっかけは、どういったものだったのでしょうか?


長嶋 そのままフットサルを続けて大学生になってバイトを探していたんですよ。そしたら家の近くにフットサルコートがバイトの募集をしていたんです。「サッカーに携われてお金がもらえる」というのは当時身近になかったのでこれは魅力的だなと思いました。そこでバイトを始めたのが、フットサルに関わる仕事をするきっかけですね。フットサルコートの社員の方にいろいろと教えていただき影響を受けました。今のビギワンのDNAは、それを引き継いでいる感じですね。


――そして大学を卒業した後、本格的にフットサルの仕事という形でしょうか?


長嶋 大学を卒業して就職をせず、フットサルのイベントを主催していました。しばらくたって、大学時代のバイト先フットサルコートの繋がりでサッカー、フットサルのイベントやフットサル施設の立ち上げを行う会社に入社しました。他にも出向でフットサルの予約システムを売る会社にも行きましたね。


――そこからビギワン!!を設立したということですが、例えばフットサル場で働くなど別の方法もあったと思います。なぜ、会社を立ち上げようとお考えになったのでしょうか?


長嶋 もっと初心者に特化したフットサルイベントを作りたかったのが一番の理由です。ビギナー大会と言っても実際は強い人がたくさん出てくる場合がある。安心して初心者が取り組むことができる大会が少ないので、初心者特化型の大会をやりたいと思い会社を立ち上げました。


――日本一レベルが低いというコピーは、わかりやすい名前を付けようということだったのでしょうか?


長嶋 はい。一目で『初心者向けの大会』ということが分かるイベントにしたかった。当時の知り合いの審判団の方たちに協力していただいて考えました。


――立ち上げ当初は集客にご苦労されたと思います。どういった集客をされたのでしょうか?


長嶋 『フットサルチーム』などで検索したり、webがあれば直接メールをしたりSNSがあればメッセージを送ってみたり、割引券のついたチラシを配るなど、あらゆる方法で告知しました。スタッフからの紹介も集客に繋がりましたね。


――最初の頃はどれぐらい来られましたか? 長嶋 立ち上げ当初は月に30から40チームずつの参加でした。現在は月に120チームほど参加いただいています。


――経営的には初年度はいかがでしたか?


長嶋 全然ダメでした。最初の1年目は僕の給料がゼロ、コート代を払えるのがやっとという感じでした。最初は個人事業で法人化していなかったので、持ち出しが多かったですね。


――12年の8月からビギワン!!をスタートし、現在、法人化をされています。いつから法人化されたのでしょうか?


長嶋 14年の3月に法人化しました。スポーツはケガが付き物なので、個人でやっているとリスクが高いということももちろんですが、信頼性も一つの理由です。たとえば振込口座にしてもビギワンと屋号がついていますけど、『ビギワン・ナガシマリョウタ』という個人の口座なんですよ。そこに参加費を振り込むというのは信頼度がないと、嫌じゃないですか。それが会社の口座になるので、信頼度を高めるためにも法人化が必要だと思いました。


――法人化して変わったことはありましたか?


長嶋 実務的なことを言うとクレジットカード決済やコンビニ決済を取り扱っていますが、法人になりスムーズになりました。


――イベントをやりやすくなったことなどはありましたか?


長嶋 ずっとフットサル業界に携わってきたので、仕事上の繋がりがあったお陰でイベントができました。個人か法人かという観点でいうとあまり関係はなかったと思います。

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初心者が居心地がいい場所を

――ビギナー層は市場として少ないと思いますが、なぜここに特化したのでしょうか?


長嶋 ビギナー層は、パイ自体は多くないんですけど参加頻度は高いという特徴があると思います。ある程度経験がある方は賞品が良い大会に参加するとか、大会に出なくても河川敷でもフットサルはできます。一方でビギナー層は居心地がいい場所、つまり同じレベルの人と試合ができることを求めていると思いますので、その環境がリピーターに繋がると考えています。


――初心者特化で、初心者向けといっても伝わりにくいこともあると思います。どういった特色を出そうとお考えでしたか?


長嶋 『日本一レベルの低いフットサル大会を目指す』をコンセプトとして開催しています。クラスが3段階に分かれていて、一番上からビギツー、ビギワン、ビギワンプレミアというランク分けになっています。最初は一番強いビギツーから参加して頂き、レベルを判断してから更に低いレベルに移っていく形です。ビギワン、ビギワンプレミアは初参加チームは出場が出来ません。明確なレベル分けを心がけています。


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――レベルを決めるのは難しいことだと思います。レベルは見る人の主観に頼ることになると思いますが、ビギワンの場合はいかがでしょうか?


長嶋 レベル分けはフットサル界共通の課題だと思います。ビギワン大会ではスタッフによる協議で決定しています。正直なところ主観でしかないのですが、何勝したらとか何点獲ったらなどのスコア制では決めていません。全敗しても上手い場合もありますし、内容が悪いけど偶然勝ったなど、チームの強さを数値化するのはなかなか難しいと思います。


――レベルが高いと卒業ということですが、これはデリケートなことだと思います。


長嶋 卒業して頂く場合、大きく分けて2パターンあります。一つめは、初めて来たチームで強すぎてその場で卒業して頂く場合です。レベルが合っていなかったわけですから比較的分かり易い場合が多いです。他にも荒すぎたり、レベルとは違うところで卒業して頂くこともあります。二つ目の場合は、ある程度来てもらってどんどん成長して上手くなって卒業する場合ですが、これは辛いですね。


――せっかく楽しんで勝てるようになったのに出ていってくださいは辛いこともあると思います。そのケースはどれぐらいですか?


長嶋 半年に1回ぐらいありますね。最近卒業したところは3チーム登録してくれているヘビーユーザーだったんですけども、あまりも強くなってきたので3チームとも卒業して頂くことになってしまいました。代替え案として、女性を全チームに二人ずつ入れることを提案しました。でも、男性のチームは真剣にやっているから、ということでご理解していただいて卒業して頂くことになりました。心苦しいですけど、そのチームだけ楽しんで他のチームがつまらなかったらダメだと思いますので、ご卒業となりました。でも、僕らとしてもせっかく出会ったのに別れるのは辛いですね。


――落ちるのもデリケートなところで、弱いと言われるのは気持ちがよくないと思いますが。


長嶋 ほとんどがレベルダウンを受け入れてくれるチームなので特に問題はありませんが、場合によっては「レベルはどうですか?」「レベルダウンしたいですか?」と声掛けをさせて頂いています。引き続きこのレベルでやりたいと希望されたらレベルダウンはせず、そのまま参加していただいています。


――特別な大会などはされているのでしょうか?


長嶋 味の素スタジアムでの大規模フットサル大会や、コンフェデレーションズカップの年に行う『裏コンフェデ杯』などお祭り要素のある大会を不定期で開催しています。

(後編に続く)

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