コラム|2019.02.28

ゴーグル装着で彼らの戦いがわかる。ロービジョンフットサルとは?[ピヴォ×みんサル]

2月23日に開催された、日本障がい者サッカー連盟(JIFF)とFリーグのコラボイベントを取材してきました。[ピヴォ×みんサル]からの転載記事

  • Fリーグ
  • ロービジョンフットサル
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(PHOTO,TEXT・佐藤功)


2月23日、Fリーグ入替戦と全日本フットサル選手権予選に先立ちエキシビションマッチが開催。日本障がい者サッカー連盟(JIFF)とFリーグのコラボイベントが行われていた。

JIFFには7つのカテゴリーがある。23日に戦ったのは知的障がい者フットサル、ソーシャルフットボール(精神障がい)、デフフットサル(聴覚障がい)、ロービジョンフットサル(視覚障がい・弱視)の4カテゴリー。24日には、CPサッカー(脳性まひ)を合わせ、5つのカテゴリーが駒沢オリンピック公園総合運動場のピッチに立つ。彼らの対戦相手として立ちはだかったのは、「僕らはこういう取り組みに先頭を切ってやっていきたい」と言う前田佳宏監督率いるF2のY.S.C.C.横浜だった。


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知的障がい者フットサル、ソーシャルフットボールと試合が続く。山本康太JIFF事務総長は、「日本代表や関東選抜のメンバーで来ました」とメンバーを紹介。「日々上を目指してやっていますので、一競技として楽しんでいただきたい」という山本事務総長の想いを、彼らの白熱した戦いで表現していた。


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次に登場したのはデフフットサル。と、ここでこのカテゴリーならではの特徴が現れる。ベンチからコーチ陣が、手話を使って指示を出す。山本事務総長は「どのようにしてコミュニケーションをとっているのかなど、障害によって競技の特性があります。どういった工夫をして競技力を上げているのか、という部分も見ていただけると面白いと思いますよ」と見どころを教えてくれた。


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そして、ロービジョンフットサルが登場。すると、横浜ベンチの前にゴーグルが並ぶ。ゴーグルは全体的に曇って見えるもの、一部分だけ穴が開いて視野が狭いものなど彼らの視界を再現。そのゴーグルを横浜の選手たちが装着、下を向いてボールの位置を確認してから蹴る。ロービジョンフットサルの選手たちが、どのような視界でプレーをしているのかを体験していた。また、横浜の前田監督は「このゴーグルを練習に取り入れるのはいいかもしれない」と興味津々だった。


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目立つように黄色いボールを使い試合が始まった瞬間、ロービジョンフットサルのベンチから大きな声が聞こえる。彼らはこの声にこだわりを持っている。


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「声の量を出すというよりも、中身にこだわって質の高い声を出す。『あっちに行け』と言ってもどこに行っていいかわからないですし、マークがどこにいるのかわからない。指示を聞く選手も冷静に落ち着いて聞いて、声がかかったら手を挙げて反応してコミュニケーションを取る。それぞれのコーチが声をかける選手も担当しながら、ピッチの中ではGK中心にCKやFKのマークの修正をしながらしています。」 と、ロービジョンフットサル代表・岩田朋之が説明。そして、「選手それぞれの見え方はどうなんだろうと、イメージしながら見てもらえるとうれしいです」と、ロービジョンフットサルの魅力をこう言った。


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「見え方もそれぞれ違いますし環境の変化にも左右されるので、それぞれの部分的な見え方がパズルのように組み合わさってひとつの絵を描くというか、声を掛け合ってつなぎながらゴールに向かったり守備をします。全員で守備、全員で攻撃というのが魅力だと思います」 体育館の床の色などを考え、目立つように黄色いボールを使う工夫もされていた。


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その岩田が目指すのは、もちろん世界の舞台。「世界大会に向けて毎月合宿をしていますし、同じJIFFのブラインドサッカー(視覚障がい)と一緒に合宿をしている時もあります」と日々戦っている。


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4試合を終えた横浜の前田監督は「楽しかったですし、貴重な経験ができたと思います。人間的に成長をしないとプレーの成長もしないと思っているので、今後のプレーにつながるんじゃないかなと思います」と1日を振り返る。そして1試合、1試合が終わるたびに、両チームが記念撮影。ボールひとつでつながる光景がそこにはあった。


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2020年、東京でパラリンピックではブラインドサッカーが正式種目となっている。そのブラインドサッカーを含め、いろんなスタイルがある。ロービジョンフットサル代表の岩田は、「代表戦はもちろん、リーグ戦だったり合宿も見に来てもらえるとうれしいです」と話していた。


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