フットサル特有のルール「6つ目のファウルから与えられる第2PK」

コラム|2019.05.26

フットサル特有のルール「6つ目のファウルから与えられる第2PK」

フットサル特有のルールである「第2PK」について、解説します。

  • Fリーグ
  • ルール・マナー

サッカーとは似て異なるスポーツのフットサル。その特有のルールの一つに、「第2PK」があります。フットサルでは直接FKになるファウルは累積してカウントされ、前後半で各6回目の直接FKになるファウルが数えられると、「第2PK」が与えられます。


「第2PK」というのは、ゴールマウスの中央から10メートルの位置にある第2ペナルティーマークから蹴る、フリーキックのことです。通常のフリーキックでは、ファウルをした側のチームは、フィールドプレーヤーを並べて、壁をつくって守ることができますが、「第2PK」では、守備者は壁をつくることができません。そのため、PKのようになるので、「第2PK」と呼ばれています。


もし、6つ目のファウルがゴール前、10メートルよりも近い位置で起きた場合はどうなるでしょうか? この時、ボールを蹴る側は自分が第2PKスポットからボールを蹴るか、このファウルが発生した場所から蹴るかを選べます。もし、ファウルが発生した場所から直接ゴールを狙うことを選んだ場合でも、相手は壁をつくることはできません。


さて、25日に開幕したFリーグ・ディビジョン1では、第2PKになる場面が一度もありませんでしたが、実は直接FKに値する6つ目のファウルが一度だけ発生していました。


それは名古屋オーシャンズと湘南ベルマーレの一戦です。湘南は残り11分弱の時点でチームのファウルカウントが5つを数えました。しかし、この後の後半12分にカウンターを受けた湘南はドリブルで突破されそうになり、相手陣内で高溝黎磨選手が吉川智貴選手を抱えるように止めて、前進を阻止したのです。


通常であれば、この時点で6つ目のファウルとなり、名古屋は第2PKが与えられる、もしくはこの地点から壁なしFKを蹴ることを選択することになります。


ところが、この場面ではボールがこぼれた先にラファ選手がいました。そして、湘南はGKのフィウーザ選手も攻撃に参加していたため、ゴールは無人の状態だったのです。ラファ選手は、そのままドリブルをすれば、GKと1対1になることができるアドバンテージがある状態であり、そのため審判団はプレーを止めずにプレー続行を促しました。


これは「フットサル競技規則の解釈と審判のためのガイドライン」の第5条 主審・第2審判の項にも「違反直後に得点の機会がない限り、犯された違反がチームの6つ目またはそれ以上の 累積ファウルであってはならない」と記されており、審判団は「得点の機会」と判断し、アドバンテージを適用したのでしょう。


結局、ラファ選手はフィウーザ選手がゴール前に戻る前にシュートを放ち、そのシュートが枠を外れてから、第2PKをアピールしました。しかし、すでにプレーを流してアドバンテージを適用していたため、第2PKや壁なしFKは与えられなかったのです。


ゴールが決まらなかったため、「なんで第2PKを取らないんだ!」という声も出ましたが、ゴールが決まっていたら「ナイス、ジャッジ!」になっていた場面でしょう。


その一方で、「ゴールからあまりにも遠すぎる!」「ラファ選手の利き足は左足なんだから、右足でシュートを打たざるを得ない、この局面はファウルを取るべきだ!」という声が出てくるのも理解できることです。そのため、賛否両論が起こる場面となりました。なお、プレーが切れたタイミングで、高溝選手はファウルを取られ、イエローカードが提示されています。


この第2PKを与える6つ目のファウルが生じるか、生じないかという駆け引きの部分は、フットサル観戦をする上での醍醐味の一つです。それまでガンガンとプレッシングに行っていたチームが、5つ目のファウルをしたことでプレスをかけれなくなる。この状態で、今度はどのような攻防が繰り広げられるか、それまでの試合の流れが一変することもあります。


民間大会では、なかなか前後半20分プレーイングの試合時間を確保できないため、第2PKが生じるファウル数がたまることはないでしょう。少し大会が荒れがちな施設では、クリーンな試合展開を実現するために、試合時間に応じて3つ目、4つ目のファウルから第2PKが与えられるというオリジナルルールをつくってもいいかもしれません。


最新コラム

一覧へ