『バルセロナの世界最強ピヴォ』スペインリーグMVP、3シーズン連続得点王フェラオのゴールの決め方[ピヴォ×みんサル]

コラム|2019.08.06

『バルセロナの世界最強ピヴォ』スペインリーグMVP、3シーズン連続得点王フェラオのゴールの決め方[ピヴォ×みんサル]

スペインのFCバルセロナ・フットサルでプレーしており、世界最強のピヴォといわれるフェラオ選手のプレーを、動画を交えてご紹介します。[ピヴォ×みんサル]からの転載記事

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バルセロナのブラジル代表ピヴォ、フェラオ。2018-2019シーズンのリーグMVP


分かっていても止められない

バルセロナは、現在国内最強だ。6月に閉幕した2018-2019シーズンでは、スペインカップ、コパ・デル・レイだけでなく、2013年以来となるリーグを制し、国内3冠を達成した。リーグ5連覇を達成したインテルの黄金時代に終止符を打ち、クラブ史上4度目となるリーグタイトルを手にした。

バルセロナはスペインとブラジルの2大国の代表選手が顔を並べる。その陣容は、豪華絢爛だ。誰もがビックゲームで主役となれる実力を備えている。とはいえ、そんなチームにおいても、やはり欠かせない選手はいる。インテルを語る上でポルトガル代表リカルジーニョが欠かせないように、2019年のバルセロナのリーグ制覇は、セレソンのピヴォを抜きに説明できない。

フェラオだ。

国籍と風貌、そしてその爆発的な得点力から、元サッカーブラジル代表のストライカーと重ね合わせ、バルセロナが「フットサルのロナウド」と評する褐色の点取り屋だ。フェラオは、リーグ戦で38ゴールを決め、3シーズン連続で得点王となり、リーグが選出する最優秀ピヴォにも3年連続で選出された。今年はそれだけではなく、各チームのキャプテン、監督、サポーターの投票によって決まるリーグMVPにも輝いた。バルセロナだけでなく、名実共にスペインリーグの顔となった。

10月29日で29歳となるストライカーは、ロシアのMFKチュメニから2014年夏にバルセロナに入団してからこれまで5シーズンのリーグ戦で155ゴールを記録。今スペインで最も決定的な仕事ができる選手であり、歴史に名を残すピヴォとなっている。コンパクトなスイングから豪快にニアサイドを撃ち抜くパワーもあれば、ゴレイロの頭上をあざ笑うかのようなループシュート、もしくはゴールに背を向けたままヒールキックで得点を奪う高いスキルも持ち合わせている。

バルセロナのフットサルは、時折単調だ。フェラオとその彼にくさびに当てる同胞のディエゴの2人だけで決定機を構築する場面は少なくない。なぜなら周囲に味方のフォローがなくとも、フェラオだけで、攻撃が完結できるからだ。彼には局面をひとりで打開できる圧倒的な個がある。具体的に言うと強靭なフィジカルだ。178センチ、83キロと恵まれた身体を活かし、後方からのフィクソとの衝突を物ともせず、最前線でボールをキープする。懐に入ったボールをプロテクトしながら、反転し、シュートまで独力で持ち込む。ディフェスからすれば、フェラオがコートにいる間は、常に緊張状態を強いられる。

プレーオフ準決勝でバルセロナと対峙したパルマ・フットサルのブラジル人フィクソ、トマスはこの日、ほぼ完璧にフェラオを封じていた。そんなゲームの終盤にゴレイロからフェラオに向かってロングスローが投げられた。もうこれまでに散々やってきた2人のマッチアップが再度繰り返された。違ったのは、結末だ。ピヴォがシュートまで持ち込んだのだ。この時、フェラオはパスを受ける前の予備動作でトーマスを欺き、背中を奪い、トラップをした。トマスはすぐに追いついたが、彼の後方からのブロックは、強靭な身体にすぐさま押しのけられた。フェラオのシュートは幸いにも外れたが、トマスは大きくため息をつくと「俺にこれ以上何ができる?」と言うように、ベンチに苦笑した。分かっていても止められない。歴戦の猛者がうんざりするほどフェラオは危険なのだ。

動画:フェラオはフットサルの“ロナウド”


動画:2018-2019シーズン、バルセロナのベストゴール集

00:25 インテル戦 フィクソのマークを外す動き、バックドアからのシュート。
00:46 レバンテ戦 コーナーキックからトラップと同時に縦への突破、左足トーキック。
01:41 エルポソ戦 ポストプレー、トラップと同時に中に切れ込むもフィクソが倒れたのを見て、キックフェイクからシュート。
02:12 エルポソ戦 シンプルにスイングの速いトーキックでのシュート。
03:06 エルポソ戦 ポストプレー、味方をおとりに使ってのカットインからのシュート。

座間健司(ざま・けんじ)

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1980年7月25日生まれ、東京都出身。2002年、東海大学文学部在学中からバイトとして『フットサルマガジンピヴォ!』の編集を務め、卒業後、そのまま『フットサルマガジンピヴォ!』編集部に入社。2004年夏に渡西し、スペインを中心に世界のフットサルを追っている。2011年”フットサルマガジンピヴォ!”休刊。2012年よりフットサルを中心にフリーライター、フォトグラファーとして活動を始める。FIFAフットサルワールドカップ4大会、UEFAフットサル選手権5大会を現地取材。

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