『ファーストトラップで相手を外す』立川・府中FP新井裕生の技ありゴールを詳細解説。このプレーにチャレンジ![ピヴォ×みんサル]

戦術・テクニック|2019.06.12

『ファーストトラップで相手を外す』立川・府中FP新井裕生の技ありゴールを詳細解説。このプレーにチャレンジ![ピヴォ×みんサル]

Fリーグの立川・府中アスレティックFCの新井裕生選手に、トップチームで初ゴールしたゴールシーンについて詳細解説してもらいました。[ピヴォ×みんサル]からの転載記事

  • Fリーグ
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アリーナ立川立飛に、アスレくんがデビューした日は、もう一つの意味で記念すべき1日となった。今季、立川・府中アスレティックFCの下部組織で育ったFP新井裕生が、トップチームでの初ゴールを挙げたからだ。

昨季、Fリーグ選抜で14得点を挙げた新井だったが、開幕からの2試合は、自身はもちろん、周囲を納得させるプレーもできていなかった。だが、日本代表候補合宿に選ばれた自信、そしてFP渡邉知晃の出場停止を受けて先発出場した責任感が前半14分の先制ゴールを呼び込んだ。

※ゴールシーンはこちらをクリック!


左サイドでボールを持ったFP皆本晃が相手と1対1を仕掛ける。右寄りの位置から中央に走り込み、利き足の左足でボールを受けた新井は、ボールを止めるとキックフェイントを入れ、相手の動きを止め、もう一歩ボールを持ち出して左足のシュートを叩き込んだ。

今季、新井が意識していることの一つに、「ファーストトラップで相手を外す」ことがあるという。ボールを受けた際、単純にボールを止めるのではなく、フェイントを織り交ぜるのだ。このゴールの場面では、皆本からのパスを受け、足の裏でボールを止めるふりをしている。これによってDFの足は一度、完全に止まり、その後に足裏で押し出されたボールについていけなくなった。

新井が意識しているというファーストタッチでボールの方向付けをするプレーは“コントロールオリエンタード”と呼ばれる。ファーストタッチで相手の逆をとり、シュートコースを作り出す。その重要性を教えてくれたのは、他クラブのピヴォだったという。

「シーズン前にフウガドールすみだの岡村康平選手とクリニックをやったんです。その時に、ピヴォとしてどういう意図をもってプレーをしているのかを教わりました。それがあったので、トラップで相手を外して中に行き、シュートを打つというイメージが持てたんです」と、新井は振り返る。

このゴールシーンでは、コントロールオリエンタード後に、もう一歩ボールを持ち出したが、本当はこの時にシュートを打ちたかったという。

「最初は1ステップ目で打ちたかったのですが、もたついてしまったので、次のステップの後に体をひねるようにして打ったら入りました。結果的にゴールに決まったのでよかったのですが、プレーとしては100点ではありません。1ステップ目でも打てる状況になっておいてから、相手の状況を見て、もう一歩持ち出す選択ができればよかったなと。ああいうステップからのシュートは、ジョーとか、外国人選手はうまいし、早いですよね。そういうところまで行きつくことができればなと思いますし、そこはトラップの質と体の使い方ですよね」

立川・府中に復帰して初ゴールを挙げた新井は、試合終盤にも2つ目のゴールを挙げている。最後にシュートを決めるコツを聞くと、「俺はシュートがめちゃくちゃ下手なんです。練習では俊さん(田中俊則)から全然点を取れないんですよ」と、苦笑した。

「それでも試合中は無我夢中なんですかね。ただ、サテライトの時に比べたら、(シュートを低く)抑えることは意識しています。まずは枠を狙うこと。それと、リラックスして打つことですね。(渡邉)知晃さんとか見ていたら、うまいじゃないですか? ほぼ100%の力では打たなくて、8割くらいで打っていますよね。意識的にはそれですね。あとはジョーみたいに、相手のタイミングを外すこと」

昨季、アラからピヴォにコンバートされたことで、得点能力を開花させた新井。渡邉、ジョーというリーグ屈指のピヴォがいる立川・府中では、2人の長所を学び取り、さらに怖いストライカーへ進化を遂げそうだ。

河合拓(かわい・たく)

2002年に当時、国内唯一のフットサル専門誌Pivo!の編集部に入りフットサルに魅力せられる。その後、2006年のサッカー・ドイツW杯を前に週刊サッカーマガジン編集部に入り、セレッソ大阪、ガンバ大阪、横浜FCなどを担当。2011年から2014年まではゲキサカ編集部で活動。2015年からはフリーランスとなり、2016年に「FutsalX」を立ち上げ、フットサルを中心に取材しながら、サッカー日本代表も取材する。U-18フットサル選手権は第1回大会からすべての大会の取材を続けている。

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