アジアを席巻した萩原真夏の緩急でかわす「またぎ→ダブルタッチ」ポイントは相手の足が届かない距離[ピヴォ×みんサル]

戦術・テクニック|2019.06.26

アジアを席巻した萩原真夏の緩急でかわす「またぎ→ダブルタッチ」ポイントは相手の足が届かない距離[ピヴォ×みんサル]

日本代表が初優勝を遂げた「AFC U-20フットサル選手権」に日本代表として出場した萩原真夏選手が、「ボールをまたいでからダブルタッチする」というドリブルのコツを解説してくれました。[ピヴォ×みんサル]からの転載記事

  • 上級者
FIN_1264

日本代表が初優勝を遂げた「AFC U-20フットサル選手権」で、海外の選手たちをも翻弄するドリブルを見せる選手がいた。Fリーグ・ディビジョン1の湘南ベルマーレの下部組織であるSBFCロンドリーナのFP萩原真夏だ。

大会序盤、緊張を隠せなかった萩原だが、グループステージ第2戦のベトナム戦からは長い足を生かしたドリブルでチャンスをつくりだした。大会前にFP毛利元亮(ペスカドーラ町田)が負傷すると、鈴木隆二監督は第3セットのピヴォに抜擢。それも萩原の絶大なキープ力に期待をかけたからだった。

準々決勝のイラク戦(2-0)では、自陣から得意のドリブルを仕掛け、そのまま先制点となるゴールを決めて見せた。それ以外のプレーでも、多くのチャンスメークを見せてきたが、最も特徴的なドリブルが、ボールをまたいでからのダブルタッチだ。このプレーについて問うと、萩原は「エサを撒く」という表現を用いて、自身のプレーを解説してくれた。

「ゆっくりまたぐことで、エサを撒くんです。エサを撒いて、相手が食いついてきた時にダブルタッチでかわすんです」

萩原によると、少しゆっくりとボールをまたぐことで、相手は足を出してくるという。ただ、このまたぎが「エサ」になるのには理由がある。ポイントは、相手の足から絶対に届かない距離で、ボールをまたぐことだ。

「相手との距離が1メートルくらいになるタイミングでボールをまたぐんです。そうすると相手がボールに食いついてきます。でも、その距離があると相手はまずボールに触れません。このタイミングで素早くダブルタッチをすれば、相手をかわすことができます」

ゆっくりとしたまたぎのフェイントを見て、相手はボールを取れると判断する。ところが、実際にボールは足の届かない位置にあり、そこに足を出してしまうと、ダブルタッチで置き去りにされるという寸法だ。また、相手が足を大きく開いていたら、その股の下にボールを通してしまう。

相手の状況を見て、臨機応変にボールを通す位置を変えられるのは、子供の頃からの反復練習に秘訣があるという。「週に6回か、7回、練習をやっていて、ほぼ毎日1時間半くらいコーンを並べてドリブルの練習をしていました。そのあと、1対1、2対2をやる小学校、中学校、高校時代を過ごしてきたんです」。コーンを並べてのドリブル練習でボールタッチの感覚を養い、1対1や2対2のトレーニングで相手との距離の測り方を身に着けていった。

単調な反復練習をやると、子供は飽きてしまうことが少なくない。だが、萩原は飽きないように工夫をしていたと振り返る。「僕にはお兄ちゃんがいるんですが、1対1で全然勝てなかったんです。それで悔しくて、ずっとドリブルの練習をしていました。コーンを並べる時は、前に相手がいることを意識して『これなら抜ける』『これならダメ』というイメージを持って練習をしていました」。

フットサル日本代表は、これまでも多くのドリブラーを生み出してきた。彼らに憧れてドリブルを磨くプレーヤーは、今後も出てくるだろう。

最後に萩原にドリブルの上達法を聞いた。

「自分で『これ』と決めた型を見つけたら、自信を付けるために、ひたすら練習を続けることです。そして試合になったら、自分でやってきたことを信じ、仕掛けることだと思います。」

河合拓(かわい・たく)

2002年に当時、国内唯一のフットサル専門誌Pivo!の編集部に入りフットサルに魅力せられる。その後、2006年のサッカー・ドイツW杯を前に週刊サッカーマガジン編集部に入り、セレッソ大阪、ガンバ大阪、横浜FCなどを担当。2011年から2014年まではゲキサカ編集部で活動。2015年からはフリーランスとなり、2016年に「FutsalX」を立ち上げ、フットサルを中心に取材しながら、サッカー日本代表も取材する。U-18フットサル選手権は第1回大会からすべての大会の取材を続けている。

最新コラム

一覧へ